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はじめに
近年、研究者の間でも個人のポートフォリオサイトを作成する動きが広がっています。
これまでポートフォリオサイトといえば、デザイナーやWeb開発者が活用するイメージが強かったですが、現在では博士課程の学生やポスドク、若手研究者などが自身のWebサイトを持つケースが増えています。
学会の参加登録フォームに「個人ホームページのURL」を入力する欄が設けられることもあり、研究者にとって個人サイトを持つ意義がますます高まっています。
では、研究者が個人サイトを作るメリットとは何でしょうか? また、どのようなツールを使えば良いのでしょうか?
本記事では、これらの疑問について詳しく解説します。
研究者が個人ホームページを作るメリット
1. 自分の情報を第三者にわかりやすく伝えられる
個人サイトを持つ最大のメリットは、自分の研究歴や興味をわかりやすく第三者に伝えられることです。
論文では第一著者や責任著者以外の貢献が目立たないことが多く、学会発表も限られた場での情報提供にとどまります。
一方で、個人サイトでは以下のような情報を自由に整理・公開できます。
- 研究歴・受賞歴・学会発表歴
- 自分の研究の興味
- 自身の人柄を表す情報 (趣味や個性など)
また、名前で検索した際にサイトが上位に表示されることで、自分を知りたい人に見つけてもらいやすくなります。
2. 情報の整理が簡単になる
研究者は助成金申請書や業績報告書を作成する際に、自分の研究歴をまとめる作業を繰り返し行う必要があります。
個人サイトで業績や発表歴を一元管理しておけば、これらの作業が大幅に効率化されます。
特に学会参加歴や発表タイトル、共著者の情報は忘れたり、調べるのが結構大変だったりするので、一つの場所に記録しておくと便利です。
3. 自分の顔と名前を覚えてもらえる
日本では研究者の顔写真を公開する機会が少ないため、学会などで実際に会ったときに「顔がわからない」ということがよくあります。
個人サイトに顔写真を掲載することで、自分の顔を覚えてもらいやすくなるメリットがあります。
これは、特に国際的な研究者ネットワークを構築する際に効果的です。
研究者向けホームページの作成ツール
HPを作るって言っても、いったいどれを使って作ればいいの?となります。
無料ツールで作る方法と、有料ツールで作る方法がありますが、無料でもかなり完成度の高いものを作れますし、有料で作ると毎月の出費が嵩むわ、それを上回るだけの収入をHPを得ることはできないわで、無料ツールの方を基本的にはお勧めします。
ちなみに、僕はブログを運営しており、そのサブドメインを使ってHPを作成しているので、現在は有料で作っています。
参考
無料で作成できるツール
- Wix
- ドラッグ&ドロップで簡単にページを作成可能。
- 一日程度で完成できる手軽さが魅力。
- Google Sites
- Googleアカウントがあればすぐに始められる。
- シンプルで直感的な操作性。
- GitHub Pages
- HTMLやJekyllを活用した高度なカスタマイズが可能。
- GitHubアカウントを持っている場合、プロフィール代わりにもなる。
作りやすいのは、WixやGoogle Sitesでしょう。マニュアルに沿って作れば一日でHPを作成することができます。
GitHub Pagesはちょっとクセがありますが、HTMLなどを使うことができたり、Jekyllを使ったりと意外と幅広くカスタムすることができますし、GitHubのアカウントを持っていれば宣伝にもなります。
有料で作成する方法
本格的なホームページを作りたい場合は、以下の方法がおすすめです。
- WordPress
- サーバー契約とドメイン取得が必要ですが、カスタマイズ性が非常に高い。
- テンプレートやプラグインを活用して、自分のニーズに合わせたサイトを構築可能。
- HTML/CSSで一から作成
- プログラミングスキルが必要ですが、自由度は最高。
- 自分だけのオリジナルデザインを追求したい場合に最適。
有料の場合はサーバーを契約して、ドメインを取得してから作成します。
費用や労力を考えると、まずは無料ツールの方がおすすめです。
しかし、自身のブログを持っていたりし、すでにサーバーを契約していたりしている人は、それに付随してサイトを作成することができるので、その場合にはぜひWordpressなどを使ってHPを作成してみてください。
まとめ
研究者を目指す方、あるいは現在活動中の若手研究者の皆さんは、ぜひ個人ホームページの作成を検討してみてください。
自身の研究歴や興味を広く伝えられるだけでなく、情報整理やネットワーキングの一助にもなります。
「自分を知ってもらう第一歩」として、あなたの研究人生に寄り添うポートフォリオサイトを作り上げてみませんか?