[論文紹介] PhDをどのように生き残るのか

はじめに

今回は僕がどうのこうのということではなく、
PhD survival guide: Some brief advice for PhD students
という論文について内容を紹介していきたいと思います。

論文要約

「PhD生存ガイド」と題した博士課程の学生に向けたアドバイスに関する論文です。

  1. PhDの目的:
    • 博士課程は単なるプロジェクト完了を目指すものではなく、科学の正しい方法を学ぶ訓練期間である。
    • 科学的な思考法を身に付けることが重要であり、問題解決能力や批判的思考を磨く場となる。
  2. 独立性と挑戦:
    • 博士課程では独立して研究を進めることが求められるが、これは困難を伴う自己責任の訓練でもある。
    • 失敗は避けられないが、それを乗り越えることで成長し、科学的発見の本質を理解する機会となる。
  3. 研究成果の公開:
    • 発見を広めるために、論文執筆と出版は不可欠。
    • 論文を書くことで科学的な議論のスキルを磨き、分野外の人々にも理解しやすい形で成果を共有する能力が養われる。
  4. コミュニケーションと環境適応:
    • 研究室内での良好な人間関係は、効率的な研究活動に不可欠。
    • 効率的なコミュニケーションで期待値を共有し、問題を未然に防ぐことが重要。
  5. 上司との関係:
    • 上司の意見に従うだけではなく、自分のアイデアを信じ、追求する姿勢が必要。
    • 上司との適切なコミュニケーションを通じて信頼を築き、困難に対処する。
  6. 科学の魅力と挑戦:
    • 博士課程は競争が激しく、家族に不向きで、経済的にも厳しい。
    • それでも、科学は新しい発見や世界に変化をもたらす刺激的なキャリアであり、情熱を持って取り組むべき価値がある。

感想

調べてみると、PhD survival guideや、それに類する論文や著書は多く見つかります。
意外だなーと思う反面、非常に面白いなとも思います。

それだけ、世界的にみてもPhDを目指す学生がおり、どう生き抜くのかにも着目が集まっているということだと思います。

書いてあることはやはりどの国も変わらず、日本だから、この分野だからということも根本的な部分では変わらないのかもしれません。

この中で特に気になったのは、やはり経済面でしょう。
日本で博士に行く学生が少ない要因は経済面であり、経済面についてサポートが変わった2024年修士卒の代では博士学生がかなり多くなったというのもそういった背景があるのではないでしょうか。

日本でも博士のサポートは受けられる人が増えてはきましたが、生活水準を満たすだけのサポートを受けている学生はまだまだ少ないのではないでしょうか。

アルバイトもできなければ、親から自立してほしいという願いから経済的な支援がない、それでいてこの物価上昇など、これまでの価値観では十分と見えても、実はかなりギリギリの生活を送っている友人は非常に多いです。

博士を取るという経験は人生においては就職するにしろ、研究職であれ価値のあるものだと思います。
だからこそ、多くの学生がチャレンジできる環境を作ってほしいものです。

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